まちのおよそ7割が森林地帯という野山に囲まれた環境で育った小川壮太さん。小・中・高・大学と夏は陸上競技、冬はスキーという生活を送ってきた。中学校からは本格的に長距離種目、クロスカントリースキーの競技者として国内のレースを転戦。

2015年には、それまで勤めてきた教職を辞めて、プロアスリートに転向。その年に行われたトップオブトレイルランニング ジャパン50kmで優勝。2016年にはスカイランニングワールドシリーズにおいて年間総合ランキング5位を記録。また、大学時代の米イースタンケンタッキー大で学んだコーチングや教職の経験を生かし、2018年からLa Monteeを設立。ランニングコーチや登山ガイドとしても活動を始めている。

教職からプロアスリートに

「教職は小さい頃からずっと目指してきました。陸上競技の仲間たちが箱根駅伝を目指して強豪大学に進学する中、私は山梨で教員になるための最善な進学先を選びました。教員になってからもこの仕事は天職だと感じていました。それだけにプロになるという選択は、そんな気持ちと矛盾していたし、かなり悩んで出した決断でした。」

国内外の大会で上位入賞をし始めていた時で、自分の限界を超え、挑戦し続けたいという気持ちは次第に大きくなっていった小川さん。家族の支えや理解、サポートしてくれていたスポンサーメーカーの後押しなどがあり、世界の大会を転戦する環境を整える決心がつき、プロアスリートの道へ進んだ。

「今の自分をつくってくれたのは、間違いなく両親とこれまでお世話になってきた先生方のおかけです。特に親よりも長い時間接してくれて、成長を促してくれた先生方へは人一倍感謝しています。今まだ先生として、あるいはランニングチームのコーチとして指導を続けるのは、そんなお世話になった先生方への感謝、恩返しの気持ちが大きいです。指導者として人前に立つにあたり、自分を律し続けることも、現役アスリートとして自身を高めるために必要な要素だと思っています。」

小川さんの”恩返し”はこれからも続く。

トレイルランニングへの挑戦

陸上競技やクロスカントリー競技に打ち込んだ、学生時代の競技生活の中で、ある程度の「やり切った感」を感じた小川さん。
そんな中、トレイルランニングや山岳スキーの自由さ、特に山頂を目指し、自然と向き合いながら移りゆく景色や季節感を感じる、今まで当たり前に感じていたこの感覚を、
走ったり滑ったりすることから少し距離をおく中で初めて実感した。

 「自分への挑戦、自然との距離感を楽しむその手立てとして、トレイルランニングへの挑戦が始まりました。いまは、年齢を重ね、アスリートとしてはショート・ミドルレンジからロング・ウルトラのカテゴリーに移行する時期となりました。トレイルランニングの世界では、50歳以上の選手がまだトップを走り続けています。それは、経験やレースの組み立てが体力を大幅に上回るこの競技独特の現象だと思います。」

自分の競技人生のピークは50歳前後だと語る小川さん。
「そこに向けて粛々と準備をしていきたいと思います。そのためにはしっかり働いて家族を養い、練習環境を整えることがまずすべきこと。競技者としてだけではなく、ビジネスマンとしてもこれまで以上に精進していきたいですね。」

壁の向こう側にむかって

「プロアスリートとして、指導者として、親として。それぞれに見せていきたい姿があります。自分はそれをプレッシャーだとかストレスとして感じたことはないんです。

もちろん人として見せられない姿もたくさんありますが、それも含めてさらけ出し、『誰しも完璧ではない』ということも併せて伝えていきたい。自分の目標に向かって『より楽しく』進んでいくためにこの人はこんな方法で進んでいる、そんなことを発信していけたらいいな、と思っています。」

 
「まだ見ぬ『壁の向こう側』にむかって、楽しみたいです。」



小川壮太さんが着用しているトレイルランニングシューズ 
ZINAL(メンズ)
ZINAL(レディース)


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